天然歯と共存する為のインプラント治療(その2) QOL回復の為のインプラント治療の応用

 前回の講演でインプラントは天然歯保護としての用い方があること、歯周病のコントロールにもインプラントを用いることができること、また、天然歯と 共存するためには、残存歯の診査診断だけでなく、咬合状態、咬合様式、咬合支持数を考慮し、インプラントに限定せず、矯正、移植をもオプションに入れて考え、患者さんの咬合状態の長期維持安定を目指して環境改善をすることの必要性を長期経過症例から呈示しました。さらに、既存の疾患の対応方法も術者の知識、技術、得意分野、考え方から処置方針が変わってくることをお話ししました。
 インプラントはあくまで治療の選択枝(オプション)の一つであって、それがすべてではありません。ファーストチョイスでも最後の砦でもありません。義歯やブリッジで充分満足される方もいらっしゃいます。患者さんの要望によって治療方針は異なってきます。治療が進むにつれて要望自体変わっていくことも臨床ではよく見られる光景です。
 今回は欠損補綴を補う方法としてのインプラントの位置づけ、他の治療法との選択の基準、そしてそれは、いつ どのようにして行っているか、さらに、限られた条件(期間や費用等の制約)の中では何を、どのように応用しているか、インプラントの他の分野(矯正等)への応用、複合治療に関してお話しし皆さんと一緒に考えたいと思います。

 予告 第3回は前回、今回の講演をもとに、長期経過症例から学ぶインプラントの効果、光と影、高齢化社会におけるインプラント治療、歯科治療によるアンチエイジングに関してお話しさせていただきます。(日時未定)